チーコさんの動物占いルポ

相談者のデータ 2019年02月01日

猿
  • ブラウンのひつじ
  • 男性
  • 76歳
  • 強い信念を持っているが、高圧的な相手には心を開かない。
悩める人々を救いたい一心で行っている占いカウンセリング。最近、どんなことで悩むのか、キャラクターごとにいくつかの傾向があることに気づいた。

先日私のカウンセリングルームを訪れたのは、ひつじ×ブラウン・男性・76歳。強い信念を持っているが、高圧的な相手には心を開かない。彼も例外に漏れず……
子どもの命を守りたい。それだけです
登下校時の児童の安全を確保するために、彼は毎日道路に立っている。交通量が多いのに信号機が設置されていない場所を見つけては、雨の日も風の日も子どもたちを誘導した。彼は市から委託された「緑のおじさん」なのだ。
トラックが急に発進したんです。まだ最後の子が渡り切っていないのに!
ムシムシする午後だった。いつものように横断歩道の見守りをしていると、トラックが強引に右折しようとしてきた。彼は、穏やかな風貌の下に激しい感情を持つブラウンのひつじだ。カッとなってトラックの運転手に詰め寄った。「何をするんだ!けしからん!危ないだろう!」と叫ぶと、トラックから運転手が下りてきて小競り合いが始まってしまった。この件はすぐさま市の知るところとなり、来週2度目の説明会に出向く予定らしい。1度目は市の職員に彼が悪いと決めつけられて、途中で退席してしまった。その職員とは話したくないが、「緑のおじさん」は続けたいと言う。
丸く収める方法を占ってもらえませんか?
ブラウンのひつじは確かにカッとなることがありますが、それはよっぽどの事情があったときだけです。市の職員の対応が悪くても、通常なら笑顔でやり過ごすことができるあなたがなぜ?私に隠していることがありますね? よっぽどのことがあったのですね?
あの日も、今日と同じようにムシムシしていました
2年前、彼は交通事故を目撃した。大きな金属音が轟いて、無我夢中で駆けつけた。赤いランドセルを目印に、車体と壁の隙間から子どもを引っ張り出すと、少女の唇が動いた。「おじさん、ありがとう」という声にならない声を聞いたとき、彼は少女を抱きしめることしかできなかった。
その子が命を取り留めまして、本当に奇跡だと思いましたよ!今では年の離れた友達とでも言いましょうか、お礼の手紙やら、工作の時間に作ったペン立てやら、いつも送ってくれますよ。それで隠居暮らしから一念発起して、『緑のおじさん』になったというわけです。命を軽んじるのは、トラックの運転手でも市の職員でも許せません
来週の木曜日はあなたにとって吉日です。まわりの引き立てを受けて、これまでの活動が世間に認知される大チャンスです! この日にあなたの命への想いを語れば、相手の心を動かすことができそうです
私は彼お手製の地図を頼りに、見知らぬ交差点を探していた。緑の帽子と緑の旗。彼だ。「お疲れさまです!」と声をかけると、「ご苦労さん!さあ、青信号です。気をつけて渡りましょう!」と誘導してくれた。彼は、いつの日もどこかで誰かの命を守っている。