チーコさんの動物占いルポ

相談者のデータ 2019年09月06日

猿
  • オレンジの狼
  • 男性
  • 62歳
  • 凝り性で、物事に熱中するとまわりに意識が向かなくなってしまう。
悩める人々を救いたい一心で行っている占いカウンセリング。最近、どんなことで悩むのか、キャラクターごとにいくつかの傾向があることに気づいた。

先日私のカウンセリングルームを訪れたのは、狼×オレンジ・男性・62歳。凝り性で、物事に熱中するとまわりに意識が向かなくなってしまう。彼も例外に漏れず……
彼の家はリフォームすることが決まっている。建設中は一時的に引っ越しをして、別の場所で住むことになるが、その引っ越しに関して問題があった。
クマムシは実に神秘的な動物です。緩歩動物でして、いやいや、カ・ン・ポ。緩やかに歩くって書くんですよ。私が最も好きなのは彼らの耐性ですな。いやいや、体勢ではなく耐えるにサガで耐性。一部のクマムシは、極度の乾燥状態になると活動を止めて死んでいるように見えます。ところがね、水分が与えられるとまた動き出すんですよ。高温や低温、高線量の紫外線や放射線だってものともしませんね。人類などクマムシの足元にもおよばない。世界最強の生物ですな
彼はクマムシの専門書を見せると言って、ショルダーバッグの中身をゴソゴソと探し始めた。私は「女性にはグロテスクかもしれませんな」と聞き、慌てて「せっかくですが」と答えたが、彼の耳には届かなかった。バッグの中から文庫本や図鑑など数多くの書籍が出てきた。
そんなにたくさんの本を持ち歩いていらっしゃるのですか!?
いやいや、これしか残っていないんですよ。家内が引っ越し先にクマムシ関係の荷物を置く場所はないと、私にだまってほとんど捨ててしまったんです!大量の資料、私が手塩にかけて書いた論文。いやいや、専門家じゃあないんです。単なる趣味ですな。私、凝り性なものでね。宝の山を捨ててしまうとは!これから何を生きがいにすればいいんだ!
妻は大きな愛情を欲するキャラだった。彼がクマムシに熱中している間、疎外感を味わっていたかもしれない。彼が愛してやまないクマムシ関連の荷物を捨てることで、もっと自分を愛してほしいと訴えているように思えた。
あなたは今、断捨離をするべき運気に包まれています。確かに奥さまの行動は身勝手なものでした。でも、奥さまはずっとガマンしてきたのでは?それに、オレンジの狼は非常に優秀で、膨大な知識を頭に詰め込める人です。捨てられた資料の中身は、すでにあなたの頭の中にインプットされているはずです
何百回と目を通しましたからね。気持ち悪がる家内を連れて、博物館にも足を運んだものだった。丸2日、部屋のドアにカギをかけっぱなしで、クマムシの新聞記事をスクラップブックにまとめたこともありましたよ。3日後にドアを開けると、2日分の食事と着替えが置いてありました。お疲れさまと書かれたメモ用紙も。いつも家内が私に合わせてくれていた。家内の耐久性はクマムシより上だったってことですな
彼は、宝ものを手放した代わりに、これまで以上に強い夫婦愛を手に入れた。今後も緩歩動物みたいに、ゆっくりゆっくり夫婦の絆を育てていくはずだ。