チーコさんの動物占いルポ
相談者のデータ 2018年12月14日
- ブルーのひつじ
- 男性
- 41歳
- 腰は低いが、権力への憧れが強く、家族や仲間を出世させたいという野望を持っている。
悩める人々を救いたい一心で行っている占いカウンセリング。最近、どんなことで悩むのか、キャラクターごとにいくつかの傾向があることに気づいた。先日私のカウンセリングルームを訪れたのは、ひつじ×ブルー・男性・41歳。腰は低いが、権力への憧れが強く、家族や仲間を出世させたいという野望を持っている。彼も例外に漏れず……
清き一票を白鳥花子にお願い致します
深々と頭を下げる彼。私も慌てて頭を下げた。
先日の選挙で落選しまして、妻が自暴自棄になっているんです
白鳥花子は美人議員でありつつ謙虚で、国民からの人気が非常に高かった。日本女性らしい奥ゆかしさが親しまれ、バラエティ番組などにも出演していた有名議員だ。しかし、民意を軽視するような発言をして大バッシングを受け、今ではマスコミの恰好の餌食になっている。
私は秘書として夫として花子を支えてきました。昼夜を問わず、彼女のためだけに生きてきたんです。初めての選挙で当確が出たときは、ふたりで抱き合って喜びましたよ。毎日選挙カーに乗り込んで、夫婦で声が出なくなるほど支持を訴えたことが、国民の皆さんに届いたんだと感動しました。あのときの花子の嬉し涙を私は生涯忘れません。それが……。女性を犯罪から守る法案が可決されるまで、もう一歩のところだったのに。あんなちょっとした失言で台無しになるなんて。毎晩酒浸りで私の制止も聞き入れません。体を壊したら元も子もないじゃありませんか。花子は少し言葉が足りなかっただけなんです。気のやさしい女性で、国民をバカにしたわけではないんです
ブルーのひつじは冷静で多少のことでは動じない。彼も最後まで冷静さを崩さなかった。その淡々とした口調が、かえって妻への愛情を感じさせる。権力への憧れを抱くブルーのひつじのことだ。妻が、次の選挙で当選できるのか、そのゆくえを占うものとばかり思っていた。だが、彼の相談内容は素朴でシンプルなものだった。
奥さまが元気になれるか、でよろしいのでしょうか?
ブルーのひつじが家族や仲間を出世させたいのは、権力への憧れが強いからだけではない。出世することによって、その人が幸せになってほしい。それが一番の願いなのだ。彼の想いをくんで水晶に問いかけると、にごりが消えて透明度が増した。
安心してください。奥さまの苦しみはもうすぐ終わりを告げそうです。あなたに感謝していて、謝罪の気持ちもあるようです。今年、あなたはすべてが変化するときでした。変わるたびに成長し、来年は今年の変化が社会的に評価されそうです。希望を捨てず、奥さまを支え続けてくださいね
選挙カーの中でノドをうるおすのは、いつもレモンスカッシュでした。花子のヤツ、本当は酒に弱いんですよ。今夜はレモンスカッシュ片手に、未来の日本について論じ合おうと思います
白鳥夫婦のような政界人がいる限り、日本の未来も捨てたものではないだろう。